社会

社員に対する取組み ―
働きやすく、
働き甲斐のある環境づくり

社員一人ひとりが長きにわたる人生において、仕事を通じて自己実現を図ると共に、日々の生活を安定させ、充実した社会生活を送ることができるように、労働条件や職場環境の整備に努めます。

1 人材育成

しまむらグループは、企業の発展には社員一人ひとりの成長が不可欠であると考えています。社員の成長には、現場経験やOJTを通じた知識や技能の習得に加え、Off-JTにより、当社の社員として必要な基礎知識や考え方、倫理観を学び、人材育成の土台を築くことが重要です。当社は人材育成によって、社員一人ひとりの仕事を通じた自己実現をサポートしています。

教育システム
新入社員教育(正社員) / 新入社員教育(パート・アルバイト)
階層別教育       / 部署別教育
女性社員キャリア研修  / 通信教育
資格取得支援制度    / アメリカセミナー

人材育成の詳細を見る

M社員制度
しまむらグループの従業員の8割以上がM社員(パート社員)です。M社員制度は、店舗で働くパート社員のために作られた制度です。これは能力があるもののフルタイムで働きにくい主婦層を想定し、高い処遇と家庭生活を両立できる時間シフト制を取り入れた当社独自の制度です。
店長昇進制度
しまむらグループでは、M社員の中から有能な人材を店長として登用しており、現在の店長の約7割がこの制度から誕生しています。店長昇進後はその上位職に当たるブロックマネージャーや他の職種にも挑戦でき、社員本人の働きやすさと成長を両立した制度です。店長昇進の目標を持つことで、仕事へのモチベーションが上がり、社員一人ひとりの能力向上だけでなく会社の成長にも繋がっています。
また、店長を目指す社員への支援体制も整えています。一例として、店長昇進への不安を解消するために、ロールモデルとなる社員の経験談を共有する説明会や、店長候補者を育成するための教育カリキュラムを用意しています。さらに、店長を目指す意欲を引き出すため、ポスターや社内報を使い、キャリアアップの啓蒙活動を行っています。

2 ダイバーシティ

女性活躍推進法行動計画

2016年4月1日に施行された「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)は、日本が急速な人口減少局面の中で、社会の一層の発展とグローバル化に対応するために、女性の個性と能力が十分に発揮できる社会の実現を目指すものです。
しまむらグループは女性の管理者が一層活躍できるよう、行動計画を策定しています。

〈行動計画〉
  1. 1.計画期間
    2019年8月21日~2024年2月20日
  2. 2.当社の課題
    従業員に占める女性の割合に対して、管理職に占める女性割合が低いこと。
  3. 3.目標
    2024年 2月20日までに女性管理職比率(※)を20%以上にすることを目標にします。
    ※主幹級以上の女性管理職比率
  4. 4.取組計画と実施事項
    1. 1) 女性社員が活躍できる職場風土の醸成と仕組み作りを行います。
      1. ①2020年実施事項
        • ・管理職の育児短時間勤務制度の導入と周知。 2020年では12名の管理職者が制度を利用しました。
        • ・社内報での「復職支援」「育児時間」「育児短時間勤務制度」について周知しました。
        • ・「再雇用制度」を導入しました。
      2. ②2021年実施事項
        1. ・育児関連の社内制度に加え、「再雇用制度」についても周知しました。
        2. ・「復職支援」「育児時間」「育児短時間勤務制度」等、育児関連の社内制度改善に向け検討を進めました。
      3. ③2022年実施事項
        「子の休憩室利用」「保活サービス"子育てみらいコンシェルジュ"」を導入しました。
      4. ④2023年取組計画
        1. ・育児関連の社内制度の改善を進めます。
        2. ・導入した「子の休憩室利用」「保活サービス"子育てみらいコンシェルジュ"」を周知します。
    2. 2) 女性社員の育成とキャリア支援を目的とした研修を実施します。
      1. ①2020年実施事項
        新型コロナウイルスの影響で研修は未実施。
      2. ②2021年実施事項
        ブロックマネージャー候補として適性がある人材を抽出し、「ブロックマネージャー候補者育成教育」を実施しました。
      3. ③2022年実施事項
        ブロックマネージャー候補として適正がある人を27名抽出し、「ブロックマネージャー候補教育」を実施しました。
      4. ④2023年取組計画
        ブロックマネージャー候補を抽出し、「ブロックマネージャー候補育成教育」の実施を継続します。
  5. 5.実施結果(2023年2月20日時点)
    1. 1) 主幹級以上(管理職)の女性割合15%(2016年2月対比+4.7%)
      管理職全体647名の内、女性97名・男性550名
    2. 2) 有給休暇取得率
      75.4%(2022年度実績)
男女の賃金の差異
男女の賃金の差異
(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)
正規社員 82.3%  
非正規社員 102.4%  
全社員 42.4%  

※対象期間 :2023年2月期(2022年3月~2023年2月)

※補足

  • ・当社の正規社員に占める女性の割合は 63.3%です。
    また、独自の人材登用制度の運用により非正規社員から正規社員に転じた社員の割合は正規社員の52.7%を占めます。
    (2023年 8月16日時点)
  • ・当社の非正規社員に占める女性の割合は 99.5%です。
    また、全体に占める非正規社員の割合は 84.3%となります。(2023年 8月16日時点)
  • ・当社には正規社員、非正規社員共に、給与(賞与)その他賃金に係る処遇において性差はありません。
継続雇用
60歳で定年退職を迎えた社員が希望した場合、嘱託社員として満65歳まで継続雇用しています。65歳を迎えた嘱託社員が、さらに継続雇用を希望する場合は、健康状態や就労意欲・能力を評価、承認した場合に満70歳まで継続雇用します。
障がい者雇用
しまむらグループは、ダイバーシティ社会の実現を目指し、障がい者の雇用を継続しています。
2023年2月現在、703名の障がいのある社員が働いており、障がい者雇用率は4.17%と、法定雇用率2.3%を大幅に上回っています。またこれにより、障がい者を率先して雇用し、その能力の活用に積極的な事業所として、埼玉県障害者雇用優良事業所に認定されています。
当社は、積極的に障がい者雇用を行っており、障がいのある社員の採用や勤務内容等のサポートができる体制を整えています。2021年度より、障がい者採用を担当するブロックマネージャーには「障害者職業生活相談員」取得を推奨しており、2023年2月現在、242名の社員が「障害者職業生活相談員」を取得しています。
また、地域の障がい者支援センターや特別支援学校等の団体との協力・連携の体制づくりも進めています。
中途採用

しまむらグループでは、正規雇用労働者の中途採用比率向上に取り組んでいます。

年度 2019 2020 2021 2022
正規雇用労働者の中途採用比率(%) 41 50 50 72

当社にはパート社員を正社員登用する社内制度があり、能力と意欲のあるM社員(パート社員)が積極的に上位職を目指せる環境を整えています。なお、この制度に基づく正社員登用を中途採用とし、その内訳は下記の通りです。

年度 2019 2020 2021 2022
新卒採用人数(名) 男性 51 27 34 29
女性 27 31 39 12
合計 78 58 73 41
パートからの正社員登用人数(名) 男性 0 0 1 0
女性 55 57 73 105
合計 55 57 74 105

3 ワークライフバランス

当社は埼玉県「多様な働き方実践企業認定制度」(仕事と家庭の両立を支援するため、多様な働き方を実践している企業等を県が認定する制度)において、最上級認定区分のプラチナ認定を取得しています。

育児休業・介護休業(正社員・パート・アルバイト)
仕事と育児・介護を両立しながら働く社員を支援する制度が整っています。
再雇用制度(正社員のみ)
管理職勤務年数が満3年以上あり、結婚・出産・育児、介護または配偶者の転勤を事由に退職する正社員は、退職時に予め申込みをする事で、退職後10年の間、再雇用制度を利用することができます。
次世代育成計画

2005年4月1日施行「次世代育成法」により、次代を担う子供たちを育成するための最適な社会環境づくりの推進が法制化され、企業には仕事と子育てを両立する就労体制の確立が求められています。
しまむらグループは、この法に則り「次世代育成計画」を策定し、継続的な取組みを促進しています。

〈行動計画〉
  1. 計画期間
    2020年4月1日から2025年3月31日
  2. 2022年度行動計画(5ヶ年計画の3年目計画)
    1. ①育児短時間勤務管理職者を増やす事を目的に、制度改善を行います。
    2. ②本社各部署の月間実働時間を統計し、部署長に情報提供します。
  3. 2022年度の具体的な取組み
    1. ①管理職の育児短時間勤務取得促進のため、制度を改善します。
    2. ②本社各部署の月間実働時間を統計し、部署長に情報提供します。
      各部署長に実態の把握を促すと共に、部署単位での働き方改革を推進します。
  4. 2023年度行動計画
    1. ①仕事と家庭を両立できるよう、当社の制度を周知します。
    2. ②本社各部署の月間実働時間を統計し、部署長に情報提供します。
  5. 2023年度の具体的な取組み
    1. ①「育児短時間勤務」「子の休憩室利用」「保活サービス"子育てみらいコンシェルジュ"」を周知します。
    2. ②本社各部署の月間実働時間を統計し、部署長に情報提供します。
      各部署長に実態の把握を促すと共に、部署単位での働き方改革を推進します。

4 福利厚生

ホームベース制度(正社員のみ)
人事異動は本人の適性を基本としますが、社員本人が設定する「ホームベース(生活の本拠とする住所)」を最大限考慮して配属します。
遠隔地赴任者への支援制度(正社員のみ)
ホームベースを離れて勤務する場合、以下の支援があります。
①家賃補助
②ホームベースへの帰宅交通費等の負担(上限あり)
③転勤時の引っ越し費用の会社負担
財形貯蓄制度・従業員持株会制度(正社員・パートのみ)
社員の長期的資産形成を目的とし、本人が希望する毎月の給与天引き積立額に、奨励金が補助されます。
社員買物優待制度(正社員・パート・アルバイト)
社員とその家族が、しまむらグループの店舗で商品を購入する際、購入金額の10%が割引となります。(年間24回まで)
オータムパーティー(正社員・パートのみ)
オータムパーティーを会社が主催し、社員の慰労と社員相互のコミュニケーションの充実が図れるようにしています。

5 労働安全衛生

衛生委員会/安全衛生委員会
全ての職場において社員が健康で安心して働ける労働環境の維持に取り組んでいます。
毎月、衛生委員会・安全衛生委員会を開催し、衛生管理者や産業医を中心に、健康管理や労働災害防止等について調査審議しています。
労働災害防止
経営会議で月に1回、担当執行役員が労災発生事例の報告を行い、執行役員全員で労災防止について情報共有と対策の協議を行っています。また、毎月開催の店長会議で全店長が労災事例を情報共有し、店長が店舗社員へ動画を使用して労災事例を説明するなど、社員全員で労災発生の予防に努めています。
長時間労働管理/ストレスチェック
過労やストレスが原因の疾患やメンタル不調などを防止するため、産業医による長時間労働の管理とストレスチェック制度を設けています。

6 業務の効率化

改善提案制度

「マニュアル」をいつの時代にも生きたものとするために欠かせない仕組みが「改善提案制度」です。業務の最適化を実現するには、「マニュアル」を常にブラッシュアップし続けることが非常に重要です。しまむらグループでは、全社員から毎年約1万件の「改善提案」が提出されます。それらをひとつひとつ検討・実験し、その結果を新しい「マニュアル」として毎月更新し続けることで、業務は常に現状に合ったものに改善され、「ローコストオペレーション」が支えられています。

RPA(業務自動化ソフト)の導入による業務の効率化
経理部でRPAを導入しており、計算や照合などの作業を自動化することで、業務の効率化を進めています。
また、2021年度より商品部でも導入し、分析作業の自動化による業務の効率化を図っています。